第32回全日本学生女子サッカー選手権大会優勝(新聞記事より)

村上裕子さん 山梨学院大学特任講師 監督就任2年目で日本一に導いた。決勝は2度リードを許したが逆転勝ちし、「ハーフタイムも選手たちが『逆転できる』と話し、見ていてたくましかった」と振り返る。

2018年に山梨学院大学女子コーチに就任、20年からの2年間は強豪・日ノ本学園高校(兵庫県姫路市)で監督を務め山梨学院大学監督に就いた。日ノ本学園高校では「就任直後、選手たちに強めに言い過ぎた」といい、チーム作りがうまくいかなかった。「選手に寄り添い、話に耳を傾けることを指導者としてより大事にするようになった」と現在の糧にする。

仙台出身。小学1年時に兄と同じ寺岡スポーツ少年団に所属していた女子選手に誘われて競技を始め、クラブチームでもプレーした。中学校では陸上部に所属しながら、週末にクラブチームでボールを追った。高校では常盤木学園高校に進み、3年時は主将として全国優勝も果たした。

東京女子体育大学4年時も主将を務め、スタッフ不在の中で監督や運営の役も担った。「サッカーに力を注ぐため、就職活動を全くしなかった」。卒業までの2ヶ月を切った1月下旬の最終戦後、大学のOGの紹介で、J1川崎育成・普及コーチが決まり、指導者としての歩みは始まった。12年にJ2町田スクールコーチとなり、女子チームの立ち上げに尽力して17年初代監督も務めた。フットサル選手として活躍し、全日本選手権で優勝経験もある「先を見るのでなく、今大事なことに全力を注ぐ」という思いで道を切り開いてきた。